<其の五> ふみまよふあと杳として白菊の
狭霧たつ野ののちをしらなく 【読み】 ふみまよう あとようとして しらぎくの さぎりたつのの のちをしらなく 【めぞぴあのの独断と偏見による解釈と一押しポイント!!】 行こうか、どうしようか。 なかなかに定まらなかったのであろう心の迷いそのままに。 踏み散らされた靴跡がまだ残っている、白菊の野。 狭霧が立つ野に立ち尽くすわたしには。 そなたの行く末を、知るよしもなく・・・・・。 千尋をトンネルの向こうに見送ったあとの情景、というイメージがしませんか。千尋は、諸手をあげて大喜びで帰って行ったのではなく。「どうしようかと白菊を踏み踏み、迷った」のだと・・・。その気持ちを代弁している、散り折れた白菊。 「狭霧たつ」の「たつ」は、たぶん、「辰」→「竜」(つまりハク)が掛けられているのではないかと、思うのです。ハクは、ただ、立ち尽くすことしかできなかったんですよね。 愛しい少女を追うことも、とどめおくこともかなわなかったハクの心情が、にじみ出ていて、泣けます。。 あるいは、トンネルの向こうへ帰ってしまった千尋の後を追おうかどうしようか、と「ハクが踏み迷った」とも、取れますよね。。こちらで解釈しても。。やっぱり泣けます。。。。 |